中学生~大人の方の矯正
出っ歯について
上の歯が下の歯に比べて前に並んでいる状態を言います。
出っ歯の治療はガタガタの歯並びを治す治療などに比べると、難易度が高いことが多いです。特にガタガタが多くある人の出っ歯の治療は難しいことが多く、診断の時点で、「いかにして出っ歯とガタガタを治すのか」という明確なビジョンが必要になります。
思春期の身長の伸びが著しい時期にはあごの成長を利用した治療が行え、より好結果を出すことができるため、中学生低学年頃からのスタートが最も望ましいです。従来はこの時期を逃すと好結果を出すのが難しいとされていましたが、矯正用アンカースクリューが開発されたことにより、最近では成人でも好結果をだすことは可能になりました。
出っ歯の症例
26歳 女性
出っ歯と口元の出っ張りを気にされて来院された患者さんです。出っ歯と口元の突出感の解消のため、上の小臼歯2本、下の前歯を1本抜歯し、治療しました。
22歳 女性
前歯の出っ張りを気にされていました。上下ともガタガタがきつかったため、上下4本の小臼歯を抜歯して矯正治療を行いました。口元の変化に注目してください。出っ張っていた口元が引っ込み、とても審美的な横顔になりました。出っ張っていた口元が引っ込むと、鼻が高く見えるようになります。
16歳 女性
ガタガタの量と口元の出っ張り具合から、上下4本小臼歯を抜歯して矯正すると綺麗になるという診断のもと、矯正治療を行いました。口元の出っ張り感が無くなり、すっきりとした横顔になりました。
32歳 女性
過去に一度、歯を抜かない矯正をされた患者さんが、口元の出っ張りを主訴に来院されました。上の小臼歯2本を抜歯したスペースを利用し、突出していた前歯を引っ込ませました。もっこりとしていた口元が、すっきりと審美的になったのがわかると思います。
22歳 女性
前歯のガタつきと虫歯治療を主訴に来院されました。本人は気にされていませんでしたが、横顔で口元が突出していることを説明し、抜歯して矯正することでいくらか引っ込めることができると説明したところ、上下で3本の小臼歯抜歯して矯正治療を行うことになりました。術前、術後の口元の変化に注目してください。
12歳 女性
重度の出っ歯の患者さんです。出っ歯の患者さんは、抜歯して矯正治療を行うことが多いですが、患者さんの治療への協力度が高く、歯を抜かずに矯正治療を行うことができました。
27歳 女性
左の八重歯を気にされており、矯正治療を行うことになりました。上下の奥歯の関係がかなりの出っ歯のかみ合わせになっていましたが、上下ともにガタガタの程度もきつかったため、上下4本の小臼歯を抜いて矯正治療を進めざるを得ませんでした。難易度のかなり高い治療でしたが、良好な結果を得れました。
各種不正咬合とその治療法、症例
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叢生(ガタガタ)
「乱杭歯(らんぐいば)」「八重歯」とも呼ばれています。歯の大きさが大きかったり、顎の大きさ、歯が生えるスペースが足りずガタガタになる状態です。
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出っ歯
前歯の傾きにより目立つ人もいれば、そうでない人もいます。上顎前突には「上のアゴが出ている」上顎前突症と「下のアゴが引っ込んでいる」下顎後退症があり、2種類のタイプが存在します。
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開咬(かいこう)
普通に噛んでも奥歯の数本しか噛むことができず、前歯が噛み合わない状態の噛み合わせです。舌の癖、指シャブリさらに口呼吸などが原因ともいわれています。
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反対咬合(はんたいこうごう)
「受け口」とも呼ばれています。下の前歯あるいは下顎全体が前に出ている状態で、できるだけ早くに治療を開始する必要があります。